はじめての楽譜の読み方
楽譜の読み方を覚えるのに、五線の音をいきなり全部暗記する必要はありません。まずは基本から始めましょう。音の名前、五線と音部記号、音符の位置、音の長さの見分け方を順に見ていき、続いてシャープ、フラット、ナチュラルを説明します。最後に、楽譜が読めるようになり、少しずつピアノが弾けるようになるには、Pianotypeでどれくらい練習すればよいのか、という大きな疑問に答えます。
音の名前
ピアノでは、7つの音をド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シと呼びます。シの次はまたドに戻り、1オクターブ高い音になります。オクターブとは、あるドから次のドまで、白鍵8つ分の幅のことです。鍵盤では、白鍵を1つ右へ進むごとに、次の音になります。
ドを見つけるには、2つ並んだ黒鍵を探します。そのすぐ左の白鍵がドです。鍵盤の真ん中にいちばん近いドを中央のドと呼び、たいていピアノのメーカー名のちょうど前あたりにあります。同じ7つの音には、ほかの呼び方もあります。日本音名は「ハ長調」のような調の名前に、英語音名はコードネームに使われます。
| ドレミ | ド | レ | ミ | ファ | ソ | ラ | シ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 日本音名 | ハ | ニ | ホ | ヘ | ト | イ | ロ |
| 英語音名 | C | D | E | F | G | A | B |
五線
楽譜は、5本の横線でできた五線に書かれます。音符は線の上か、線と線のあいだに置かれます。五線の上のほうにある音符ほど、高い音です。
線は下から数えます。いちばん下が第1線、いちばん上が第5線です。線と線のあいだは「間(かん)」と呼び、下から第1間、第2間…と数えます。
五線は階段のようなものです。線も間も、それぞれが1つの段です。1段上がるごとに右隣の白鍵へ、1段下がるごとに左隣の白鍵へ進みます。
たとえばト音記号では、第1線がミ、1段上の第1間がファ、さらに1段上の第2線がソです。
5本の線では足りないこともあります。メロディーが五線より高く、または低くなるときは、その音符のためだけに短い線を書き足します。これを加線と呼びます。階段はそのまま続きます。1段ずつ、白鍵1つずつです。
たとえばト音記号では、第1線のすぐ下がレ、さらに1段下の、1本目の加線の上にあるのがドです。これが中央のド、鍵盤の真ん中にあるドで、多くの人が最初に覚える音です。
音部記号
五線だけでは、どの線がどの音なのかわかりません。地名の書かれていない地図のようなもので、道はあっても名前がないのです。そこで五線のはじめに置くのが音部記号です。音部記号が1つの音の位置を決め、ほかの音はそこから階段を1段ずつ上り下りして見つけます。
ピアノの楽譜では、2つの音部記号を使います。
- ト音記号は、
くるりと 渦を 巻いた 形です。 下から 2本目の 線 (第2線)に、 渦が 巻きついている ところを 見てください。 この 線に あるのが、 中央の ドの すぐ 上の ソ、 鍵盤の 真ん中より 少し 右の 音です。 ソは 日本音名でトなので、 この 記号を ト音記号と 呼びます。 ト音記号の 音符は、 ふつう 右手で 弾きます。 - ヘ音記号は、
左右が 反対に なった Cに、 2つの 点が ついたような 形です。 2つの 点は、 下から 4本目の 線 (第4線)を はさんでいます。 この 線に あるのが、 中央の ドの すぐ 下の ファ、 鍵盤の 真ん中より 少し 左の 音です。 ファは 日本音名でヘなので、 ヘ音記号と 呼びます。 ヘ音記号の 音符は、 ふつう 左手で 弾きます。
ピアノの楽譜では、ふつう2つの五線を上下に並べます。上がト音記号、下がヘ音記号です。左側の括弧(ブレース)が2段をつなぎ、両手で弾く1つの曲であることを示します。この2段の楽譜を大譜表と呼びます。
中央のドは、2つの五線のあいだにあります。どちらの五線にも収まらないので、短い加線の上に書きます。上の五線のすぐ下にも、下の五線のすぐ上にも書けます。見た目は違いますが、ピアノではまったく同じドの鍵盤です。
音符の長さ
音楽には、時計の秒針のような一定の刻みがあります。心の中で「1、2、3、4」と数えられます。この1つ1つを拍と呼びます。
音符の形を見れば、何拍のばすかがわかります。鍵盤を押したら、数えているあいだ押さえたままにします。
| 音符 | 形 | 拍数(4/4) |
|---|---|---|
| 全音符 | 白い玉だけで、棒がない | 4 |
| 2分音符 | 白い玉に棒 | 2 |
| 4分音符 | 黒い玉に棒 | 1 |
| 8分音符 | 黒い玉に棒と旗 | 0.5 |
音符についている縦の線を棒(符幹)と呼びます。
音符の右についた点(付点)は、元の長さの半分を足します。2分音符は2拍ですが、付点2分音符は3拍です。「1、2、3」と数えます。
休符は、音を出さない時間を表す記号です。音符の長さごとに、同じ長さの休符があります。休符のあいだは何も弾きませんが、数えるのは続けます。
小節。五線を区切る縦の線が、音楽を同じ長さのまとまりに分けます。このまとまりを小節、区切りの線を小節線と呼びます。曲のはじめには、4/4や3/4のような2つの数字があります。これが拍子記号です。上の数字は、1小節に何拍あるかを表します。4分の4拍子なら4まで、4分の3拍子ならワルツのように3まで数えます。下の数字は、どの音符を1拍にするかを表し、4なら4分音符です。
シャープ、フラット、ナチュラル
音符の横に、小さな記号がついていることがあります。いつもの鍵盤ではなく、すぐ隣の鍵盤を弾くという意味です。
- シャープ
(♯) :すぐ右隣の 鍵盤を 弾きます。 たいていは 黒鍵です。 たとえば ド♯は、 ドと レの あいだの 黒鍵です。 - フラット
(♭) :すぐ左隣の 鍵盤を 弾きます。 たとえば シ♭は、 ラと シの あいだの 黒鍵です。 - ナチュラル
(♮) :シャープやフラットを 取り消して、 元の 白鍵に 戻します。
このように、すぐ隣の鍵盤へ移る幅を半音と呼びます。
記号の効果は、いつまで続くのでしょうか?書かれている場所によって違います。
- 音符の
すぐ に横 書かれた 記号は、 その 小節の 終わりまで 有効です。 同じ 小節の 中で、 同じ 線や間に また 同じ 音が 出てきたら、 記号が なくても シャープや フラットの まま 弾きます。 次の 小節では、 もう 有効ではありません。 - 音部記号の
すぐ 、後ろ 各段の はじめに 書かれた 記号は、 曲の 終わりまで、 または 調号が 変わるまで 有効です。 これを調号と 呼びます。 音部記号の 後ろに ファ♯が あれば、 ナチュラルで 取り消されないかぎり、 曲の 中の ファは どの オクターブでも すべて ファ♯で 弾きます。
練習は1日何分必要ですか?
思っているより短い時間から始められます。1日5分で十分です。
楽譜を読む力はスキルです。ひと晩で覚えられる知識ではありません。文章を読むのと同じで、くり返すうちに育ちます。最初は音符を1つずつ読み解き、やがてひと目でわかるようになります。だから、週に1回1時間練習するより、毎日の短い練習のほうが効果的です。脳は疲れることなく、前の日に覚えたことを定着させられます。
練習の流れは、たとえば次のようになります。
- 短い
1段の 楽譜を 読みます。 音符の 名前を 言いながら 弾きます。 - 手元を
見ないようにして、 いくつかの 音を 続けて 弾きます。 - どの
音符で つまずいたかに 気づいたら、 次の 練習では そこから 始めます。 - 1つずつの
音符が 楽に 読めるようになったら、 簡単な 曲に 進みます。 両手で、 ゆっくりの テンポで 弾きましょう。
3つ目のステップがいちばん大切で、いちばん難しいところです。外国語の単語も、ひと目で見分けたいものも、こうして覚えます。難しいものほど多く、慣れたものはだんだん少なく、くり返すのです。
つまずいた所をすべて自分で覚えておくのは大変です。そこでPianotypeの出番です。アプリは、あなたがつまずいた課題に気づき、楽にできるようになるまで、同じ練習の後半や次の練習でくり返し出題します。マスターした課題は出てくる回数が減るので、1日5分の練習を、本当に伸ばしたいところに使えます。
よくある質問
まだ音符がまったく読めません。何から始めればいいですか?
まずは鍵盤から始めましょう。ドを見つけて、次のドまで白鍵をすべて弾いてみてください。次に、五線とト音記号に進みます。ト音記号は、ふつう右手で読む音部記号です。
ピアノがなくても学べますか?
はい。ト音記号とヘ音記号のガイドでは、画面の鍵盤をマウスやパソコンのキーで弾いて、練習を試せます。Pianotypeなら、スマホの画面の鍵盤をタップして弾けます。ピアノがあれば、アプリがマイクでその音を聞き取ります。
たくさんの線を、どうやって見分ければいいですか?
一度に全部覚える必要はありません。たとえば第1線のミのように、1つの音を覚えて、そこから数えましょう。階段を1段上がるごとに、右隣の白鍵になります。
音部記号はなぜ2つあるのですか?1つではだめですか?
ピアノは音域がとても広いので、すべての音を1つの五線に書くことはできません。そこで、右手はト音記号を、左手はヘ音記号を読みます。まずはト音記号から始めて、ヘ音記号はあとから加えても大丈夫です。
音符をすぐに忘れてしまいます。どうすればいいですか?
それはまったく普通のことで、記憶とはそういうものです。毎日の短い練習と、こまめな復習が役に立ちます。Pianotypeは、難しいと感じる課題を、身につくまでくり返し出題します。
本当に1日5分で足りますか?
始めるには十分です。長く練習するより、毎日続けることのほうが大切です。もっと弾きたい日はどんどん弾いてください。5分だけでも、前に進み続けられます。
どれくらいで楽譜が読めるようになりますか?
人それぞれで、どれくらいの頻度で練習するかによります。Pianotypeでは1分間に何音読めたかがわかるので、いくつかの課題をこなしただけでも、上達を確かめられます。